治療の進化

手術室

乳がんは主に乳房やその周辺にできるがんのことを言いますが、従来はがん細胞があると疑われる部分はリンパ節等を含めて全て切除するという手術法が一般的でした。しかし、年月の経過とともにリンパ節を切除してもあまり意味がないという考え方に変わり、近年では乳房をできるだけ温存した手術法が取られるようになってきています。また、従来の考え方としては、病巣を切除して治療をすれば良いという考え方が主流だったため、乳がん切除後は乳房が失われたことによって生活の質が低下してしまう人も少なくありませんでした。現在では治療後の生活の質を保つことにも重点が置かれ、乳房の再建術などに関しても健康保険の適応を拡大したり、様々な手法が取り入れられるようになっています。

最近では、アメリカのハリウッド女優が乳がんの遺伝子検査を受けたあと、乳房の切除と再建術を行ったことで大きな話題となりました。乳がんや卵巣がんに関しては血縁者にこれらのがんを発症した人がいる場合、遺伝しやすい体質である可能性があり、現在では遺伝子検査によって調べることが可能となっています。今回の件で遺伝子検査が注目を浴びましたが、検査にかかる費用は健康保険が適用にならないため、実際に普及するかどうかは難しい部分があると思われます。日本では乳がん患者に対する再建術の保険適応の範囲が拡大されましたが、医療技術は日に日に進化を遂げているので、これからもより高度な再建術が開発されていくことが予測されます。